ニュージーランド旅ブログ・真冬の6週間縦断⑨南島編【Day8~10|カフランギ 国立公園/アーサー山】

前回までのあらすじ 

 

二週間の北島の旅から南島に渡った3人は、南島最北端の砂嘴「Farewell  spit」のある「Puponga」、そして「ヒッピー街タカタ」を訪れた・・・

 

 

 

カフランギ 国立公園/kahurangi national park

 

南島に入って二度目となる冬山への挑戦

 

今回はカフランギ国立公園のアーサー山1795メートル。カフランギ国立公園は広大で自然に溢れたニュージーランドで二番目に大きい国立公園(ちなみに最大はFiordlandNational Park)で地元のマオリ部族が何百年もの間使ってきた道の一つだ。

 

頂上まで5時間、往復10時間だが、今回は中腹にあるMtArthurHutにて暖を取り宿泊する予定だ。事前に駐車場で装備を整える。85リットルのバックパックに寝袋二人分、カセットコンロ、水3リットル、他食料をつめる。これを背負っての登りはそれなりにこたえる、、。

 

 

Hut/山小屋

 

ここで簡単にHutについて説明しておこうと思う。

 

Hutは山小屋のことで、NZの山など国中あちこちに設置されていて、ハイキングやキャンプなどの際、休憩したり宿泊することが出来る施設である。もう少し詳しく説明するとHutの設備は各場所によって若干違うが、今回利用した「MtArthurHut」の場合は、建物内にバンクベッドが二台(4~8人分のスペース)と暖炉、キッチンスペースがあるシンプルな作りだ。電気は通っていないので自分たちでランタンやトーチを用いて夜はしのぐ必要がある。キッチンも特に流しがあるわけではなく調理台があるだけなので、コンロや調理器具も全て持ち込みだ。

 

外には大抵暖炉のために薪が用意されている。HutはDOC(Department OfConservation)によって管理されているので、職員の方が定期的に訪れては清掃したり薪を補充してくれている。

 

※訪問者や宿泊者も大抵綺麗にしてから退出していくので中はわりといつもきれい

 

トイレは外にぼっとん便所があるのが一般的だ

 

宿泊料はHutによって設定されていて、0~15ドル/日が相場で、事前に街にあるDOCのオフィスでハットパスを購入する。パスは全国共通で使えるので、持っていればどこかでまた使いまわしがきくので便利だ。

 

ちなみにMt Arthur Hutは大人1人15ドルだった。

 

 

アクセス

Motueka(アーサー山の最寄りのDOCのある街、ハットパスが買える)から約30㎞車で45分。

 

行き方は、Motueka Valley Hwyを南西に6.1 km、右折してAlexander Bluff Rdへ(180m)、左折してMotuekaRiver West Bank Rdに入る(10.9 km)、右折してGraham Valley Rdに入る(3.4km)、左折してGraham Valley South Branch Rdに入る(6.9 km)⇒Flora Car Park

 

といった感じなのだが、曲がりどころを見逃す可能性もあるので、DOCを一度訪問してその都度の山の状況を確認することや、パス購入などと合わせて地図をもらって行き方を確認するといいだろう・・・

 

 

 

アーサー山登山

 

1日目

改めて今回の僕らの予定を説明すると、ゆとりをもって二泊三日の予定を組んだ。(というよりもHutの宿泊は安く楽しいし、何より車で寝るより寝心地がいい。笑) 

 

初日は中腹まで4㎞登りHutに宿泊、二日目はHutから頂上まで5㎞登って、帰り5㎞の往復10㎞で同じHutに宿泊。そして三日目は朝ご飯を食べて下山するというプランだ。

 

初日は起きて、移動して、パスを買って、山籠もり用の荷造りをしてたら気付いたら昼ももう2時近かった・・・

 

ファビアンは余裕だと考えていたが、僕はあまりそうは思わなかった、、。

 

なぜなら今は真冬、完全な日没は5時。いくら通常二時間で登れると書いてはあっても、僕たちは二泊三日分の食料や荷物を背負っているうえに、一人は山に登りなれていない女性だ。

 

ハットのサインは見落としやすい目印となっていることも少なくない。

 

暗くなって疲れた中、山でさ迷うのはめんどうだしごめんだ。

 

とはいえ、延期や中止は一切考えていなかった。ただ、時間に焦らされて登るのが単純に好きじゃなかっただけだった。

 

理想としては、時間にたっぷりとゆとりをもって、楽しみながら登っては、景色のいいところを見つけたらのんびり休憩をとって、食べたり飲んだり話しながらいくのがいい。

 

とにかくそんなぐうたら言っていられない僕らはこの日、重たい荷物を背に、自分たちに鞭を打って宿泊先のハットを目指した。結局2時間半~3時間近くかかり、最後1時間は陽も暮れ始めていて、太陽との戦いだった、、。

 

どうにかハットに真っ暗になると同時に到着した僕らは、ビールを開けた。

 

「ぷはぁ~うめぇ!」

 

到着前30分、僕の頭の中は完全にこの瞬間を待ち望んでいたのだった。

 

そして一息してから、手分けして料理を始める。といっても基本的にはインスタントヌードルに簡単に手に入る野菜をたくさんきって一緒に煮込んで、具だくさんにして腹を満たすという戦法だ。これが一番安上がりで、温まる。

 

僕はハットに宿泊するのが好きだ。電気もない小屋で暖を取り、みんなして火を前にワインを飲みながらカードゲームをする。しかも部屋は暗いからトーチをあてながらとやや不便なのだけど、それがまたいい。そして山の中なので近所などいるはずもなく、スピーカーとノートPCを持ってきてはみんなで大音量で映画鑑賞したり、音楽を聴いたりする。

 

少し酒がまわってきたら、みんなで星の下で音楽を聴きながら踊った、、。

 

 

2日目

 

目覚ましがなり、揃って7時ごろ目を覚ました。

 

2日目の予定は、山頂まで行き、同じハットに戻る往復9~10時間コースだった、なので日没の時間から逆算すると少し早起きする必要があった。それと最近は10時近くまでみんな寝ていて日の出なんか見ちゃいなかったので、久しぶりに見ようという話になっていた。

 

『バンっ!』

 

ドアを開けた瞬間、辺りの様子がおかしかった、、。

 

『わぁ、雪だ~!!』 

 

昨日までなかった雪が辺りを白一色に染めていて景色は一様に変化していた。

 


みんなで雪山で見る初めての日の出

 

朝日はとてもきれいだったのだが、一つ懸念することがあった、それは風だった。

 

吹雪いていて、頂上付近が見えなかった、、、

 

『よし、予定変更。頂上に向かっていけるところまでいってみよう!でも無理は禁物。やばいと思ったら引き返す』これが今日の予定となった。

 

40分ほどだろうか中腹から頂上にむかって歩をすすめていった

 

 

『びゅーん、びゅーーー』

 

吹雪で頬や耳が痛いうえに頂上に向かうにつれ視界がしだいに悪くなっていった。

 

『もう少しだけ、本当少しだけいってみようか?』

 

こんな様子じゃ頂上までいけないことなどわかっていたが、それでも僕らは少しでも頂上に近づきたかった、、、

 

『ぐぉおーー、ごーーー』

 

吹雪の強さが凄まじいことになってきた。けいこちゃんは一歩足を踏み出せば身体が吹き飛ばされそうになってバランスを崩していた。この時点ではすでにファビアンが先頭で間にけいこちゃんをはさみ、行方不明にならないフォーメーションを築いていた。そこまでする必要があるほどの環境下にあった。

 

『ダメだ、引き返そう!』

 

満場一致で引き返すことにした。

 

僕らはハットに戻り、冷えた体を暖炉であたためた・・・

 

 

 

3日目


前日予定が狂って時間を持て余したため、食料を全て食べきってしまった僕らは目を覚ますと朝一番に山を下り始めた。

 

来た道を戻っただけだが、雪のおかげで景色がだいぶ違って見えた。

 

下山すると同時に飢えた腹を満たし、5時間かけてついには南島のメインロード西海岸はカラメアを目指したのだった・・・

 

 

 

続く
ニュージーランド旅ブログ・真冬の6週間縦断⑩南島編【Day10|カラメアとオパララ。そして意外な再会・・】

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